ソアーヴェが世界農業遺産に

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ソアーヴェが世界農業遺産に

 イタリアヴェネト州、国内でも屈指のワイン産地であるソアーヴェ
FAO(国連食糧農業期間)の委員会により2018年11月、GIAHS(世界農業遺産)に認定された。世界では53番目でブドウ畑としては唯一の認定。

世界農業遺産をご存知だったろうか?
(日本の)農林水産省HPによると
「世界的に重要かつ伝統的な農林水産業を営む地域(農林水産業システム)を、FAOが認定する制度」
とある。
ソアーヴェワイン保護協会のキアラ・マッティエッロ氏によると
有名な「世界遺産」は主に’美しい景観’が重視されるのに対し、
GIAHSは景観+そこでの暮らしの営み(農業活動やそれに関する産業)をも含めた
制度だという。
現在認定されている57の地区のうち、中国が15、日本11(能登里山と里海、静岡のわさび栽培など)が続く。イタリアは2つ(もう一つはアッシジとスポレートのオリーブ畑)で、世界遺産は51というぶっちぎりで世界一なことを考えると随分と少ない印象。
今回の認定の理由を前述のキアラさんは
1)3000のブドウ栽培農家と協同組合のアシストシステム
2)ブドウの土着品種(ガルガーネガ、トレビアーノ・ディ・ソアーヴェなど)や
3)独自の農業的テクニック
  ペルゴラ・ヴェロネーゼ(ブドウの仕立て方)、乾燥した低い壁(ドライウォー  ル)での保水システムと段々畑、陰干しして造られるレチョート・ディ・ソアー  ヴェなど
4)文化や伝統、祭りなどとの関わり合い
5)7000haのブドウ畑がすべてつながっている景観
と説明。
同協会長のサンドロ・ジーニ氏も「世界で最も重要な農業であるブドウ栽培システムの中で、数百年前からの伝統を維持する力を備えており、高知つ的、かつ効果的に収入を得る現代的な生産システムとして認知されなければならない。ソアーヴェのワイン造りは、人類全ての営みの前例となるものであり、それは幸せ以外の何者でもない」と、手放しの喜びようだった。
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ソアーヴェワイン保護協会のサンドロ・ジーニ氏とキアラ・マッティエッロ氏

 この会見に伴い、SOLOITALIA代表の林茂氏によるソアーヴェとドゥレッロ(ドゥレッラ種から造られるスパークリングワイン DOC)のテイスティングセミナーも開かれた。
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ドゥレッロ6種とソアーヴェ15種をテイスティング
ボトルの脇にあるのはそのワインができた畑の土
石灰質(白)火山性(黄)火山性(赤)火山性(黒)により、同じ品種のブドウでも
テイストにかなりの違いがでる

                  (2019年6月10日取材@明治記念館