PIPER-HEIDSIECK

パイパー・エドシック「ロゼ・ソヴァージュ」の新しい提案

 

 シャンパーニュ大手のパイパー・エドシックを取り扱う日本リカーが

ロゼ・シャンパーニュ、「ロゼ・ソヴァージュ」の新しい楽しみ方を提案するイヴェントが渋谷のCaf? BOHEMIAで開催された。

 パイパー・エドシックは1785年にフローレンス=ルイ・エドシックが創設、当時の王妃マリー・アントワネットに献上していた事、マリリン・モンローに愛されていた事、カンヌ国際映画祭公式シャンパーニュとしても知られる。

日本リカーでのパイパー・エドシックの扱いは7ブランド、「ロゼ・ソヴァージュ」は2016年4月より輸入を開始した。

 今回は同席していた「パイパー・エドシック シャルル・エドシック ジャパン㈱」のブランドマネージャー、本間寿一氏に話を伺いながらイヴェントを進行していった。

‘ワイルドなロゼ’の意味を持つこのシャンパーニュは、赤ワインと白ワインをブレンドして瓶内2時発酵させる。今主流である黒ブドウの果皮を漬け込むセニエは新しい手法で、このブレンドのほうがオリジナルな造り方だという。

ロゼ・シャンパーニュはあまり色を付けすぎるとシャンパーニュのエレガントさからかけ離れてしまうため赤ワインの比率はせいぜい10%ほどなのだが、このロゼ・ソヴァージュは25%と飛び抜けて高い。

シェフ・ド・カーヴと呼ばれる最高醸造責任者がもっとも気を使うこのブレンド作業だが、パイパー・エドシックのシェフ・ド・カーヴ、レジス・カミュ氏は‘見てくれ’より‘味’を選んだ。広大な畑からピノ・ノワールピノ・ムニエを選りすぐり、黒ブドウからくるエグミが出ないよう慎重にブレンドする。

 そしてカミュ氏は何より‘食中酒となるシャンパーニュ’にこだわっている。中華の焼豚や、鹿や鴨などのジビエにも、ピエール・エルメのマカロンにもピッタリ合うという。この日供されたのはエスニックな香りが遠くからでもわかるタンドリーチキンであった。てっきり赤身肉が出てくるものと予想していたのだがこれがピタリ。赤ワインの持つタンニンとスパイス、特にクミンが寄り添い意外なハーモニーを奏でたのにビックリ。「赤には赤を(赤ワインには赤色の食材を)」や「カレーにワインはNG」というワイン界の常識が見事に覆された。

 この日はもうひとつ、通常のシャンパーニュグラスのほか、リーデル社が開発したロゼ・シャンパーニュ用のグラスでも提供された。大きく、膨らみを持ったグラスを回すと泡は和らぎ、黒ブドウ由来の青臭さも溶けて、シャンパーニュグラスとはまた違った感触である。時間の経過で温度も香りも変わってくるので、前菜からメインまでこれだけで楽しめるかもしれない。ピノ・ノワールバローロバルバレスコの品種、ネッビオーロにも合わせられるという。

 また、シュピゲラウ社のグラス、「オーセンティスエクストララージ」で

「ロゼ・ソヴァージュ」を使ったカクテルも提案され、マリアージュ、グラス、カクテルと「ロゼ・ソヴァージュ」の汎用性が披露された一夜であった。

(2017年9月21日取材)
イメージ 1
屋外の夜で写真うまく撮れず